肛門周囲膿瘍または痔ろうの可能性がある症状
全ての始まりは、僕の人生の上で経験したことがない唐突の痛みからでした。鈍痛と言うか、腫れ物が出来て神経を圧迫しているような痛み。
大きな痛みではなく、怪我をした後のような緩い痛みが継続しているような感じです。前日に激辛ラーメンを食べたので、最初はそのせいだと思い、何事もなかったかのように過ごしていました。生活する上で支障はなかったし、風邪と同様に放っておけば治る類のものだろうと思っていました。
肛門と尾てい骨の間の痛みが続く
痛みが生じていたのが、肛門と尾てい骨の間でした。尾てい骨のしたから、あたかもしっぽが生えるのではないかと思うような圧迫感があり、強い痛みを伴っていました。一過性の痛みだと信じていたのですが、何日経っても痛みが消える気配はありません。
「肛門と尾てい骨の間が、いつまでも痛い…」
一週間経ってもまだ痛い。むしろ痛みの症状は酷くなってきている一方です。一体どうなっているんだと、恐る恐る痛みを伴う場所を触ってみると、少しぷっくりと固く膨らんでいました。何か溜まっているのは間違いありません。それでもやはり、放っておけば治ると言う思いは消えていません。しかし、その思いに反して、日を追うごとに痛みは一方的に増すばかりです。
痛みが悪化した結果
痛みが増していたのにも関わらず、そのまま放置していたことにより、次のような症状が表れはじめました。
- 椅子に座るのが痛くなってきた
- 尾てい骨に当たらないように座っても痛くなってきた
- 終いには立ち上がる時ですら痛くなった
- 立ったまま、もしくは寝そべったままでしかいられなくなった
- 痛い上に微熱まで出てきた
更に痛みが酷くなり、「座る」行為が困難になる程までになってしまいました。最初に痛みを感じてから、約一週間後の出来事です。ここまで来ると「痛み」より「激痛」と表現した方が、状態に合っています。
これ以上悪化したら仕事へ支障をきたすと思い、自身の症状をネットで調べていくと、ある病状にたどり着きました。それが「肛門周囲膿瘍」でした。
肛門周囲膿瘍とは
肛門周囲膿瘍とは、直腸と肛門の境目にあるくぼみの肛門陰窩(いんか)から細菌が侵入し、そこから膿が溜まってしまった病気です。膿が溜まることで周りの神経が圧迫されるため、強い痛みや腫れが生じます。ストレスや疲労により体の免疫力が低下している時に、下痢が原因で細菌が入り込み、膿が溜まることがあるようです。
膿が溜まると肛門付近が腫れます。そして、溜まった膿は排出しないと症状は軽減せず、更には軽度でない限り、膿を出す出口を作ってしまうと入口と出口が開通するため、ずっと膿が出続けるようになってしまいます。
入口が自然とふさがることはなく、また出口がふさがったとしても、同じように膿が溜まってしまうので、また出口を作って膿を排出しなくてはいけません。そして、この入口と出口が開通してトンネルが出来上がってしまった状態が「痔瘻 (じろう)」です。
下痢が続いた後、肛門に痛みが生じ腫れてきた場合は、肛門周囲膿瘍の可能性が高く、深い位置に多くの膿が溜まってしまった場合には、発熱をすることもあります。そして抗生物質等の薬で膿瘍をかき消すことは出来ず、切開により膿を排出しないと症状は改善しません。
まとめると、肛門周囲膿瘍の症状は以下の 3つになります。
- 膿が溜まるため肛門付近が腫れる
- 溜まった膿が神経を圧迫するので痛みを伴う
- 発熱する場合もある
肛門周囲膿瘍は、誰もがなる可能性のある病気です。細菌が入り込んでしまうのは偶然起こり得るものなので、膿瘍になってしまったら運が悪かったと思うしかありません。
完全に症状が一致していた
肛門付近の腫れ、痛み、発熱。他に病状が見つからないので、僕が痛みを伴っていた原因は、肛門周囲膿瘍だと確信しました。放置しても治らない、薬でも治らない。軽度でなければ痔瘻となる可能性が高い。正直ショックですが、原因がわかったことで治療に向けた一歩を進むことになったので、前向きに良かったと考えるようにします。
ただ一点気になるところが、痔瘻になってしまった場合の治療方法です。
痔瘻は市販薬で治せるのか
肛門周囲膿瘍で膿を出す出口を作るとトンネルが開通し、ずっと膿が出続けると記載しました。治療をするにはこのトンネルをふさぐ必要があるのですが、改めて市販薬だけで治せないものかと、再び調べ尽くしてみましたが、どの情報を参照しても同じ言葉の下りしか書かれていませんでした。
「痔ろうは手術しないと治らない」
生まれてこの方、手術どころか入院経験も無いので、いきなり手術が必要と言われても、どうしたらいいのか右往左往してしまいます。もし、膿を出さず溜め込んだ状態のままでいると、膿の潜伏範囲が広がるため手術が大変になるそうです。また更に酷くなると、肛門がんへ進展してしまう可能性もあるので、ネットで調べる限りでは自分の力で完治まで導くのは不可能だと分かりました。
こうして僕は病院へ行く決意をしたのでした。